2008年02月20日(水) 21時05分
高額品売れ行き減速 三越は中国人観光客に期待(J-CASTニュース)
好調だった宝飾品や貴金属品などの高額品の売れ行きに陰りがみえてきた百貨店業界のなかで三越は、中国をはじめとした外国人観光客向けのサービスを強化している。三越では銀座店などで中国人観光客の来店が増えており、日本製の腕時計などをおみやげ品として購入していくケースが出てきた。これに対応するため、免税カウンターに中国語を話せる担当者を配置するなど、外国人観光客の取り込みに力を入れはじめた。
■株安、景気後退… 心理的要因大きい
日本百貨店協会が2008年2月19日に発表した1月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比2.1%減の6733億円と2か月連続してマイナスとなった。福袋や年始セールで滑り出しは好調だったが、月末の寒さの影響で春物衣料が苦戦するなど低調。なかでも、美術品や宝飾・貴金属品の売上高は前年比6.8%減少して、269億円だった。とくに東京地区での落ち込みが目立った。
日本百貨店協会は「サブプライム問題に端を発した株価の低迷や、原油高など巷間言われているようなことが原因で買い控えが起こっていると考えています。靴下やルームシューズ、手袋、マフラーなどは売れていて、必需品にお金がまわって高額な買い物は抑えるといったところでしょうか」とみている。
三越も「株価を気にしているお客様は少なくありません。心理的な影響がかなりあると思います」(本店広報部)と話す。
■中国人観光客が「まとめ買い」
これまで比較的好調といわれてきた高額品だが、07年11月ごろから「変調」を来たしていたようだ。日本百貨店協会が東京都内の百貨店にヒアリングしたところ、高額品の中でも「宝飾品や貴金属品、家具類の一部に落ち込みがありました」という。
半面、美術品はあまり大きな落ち込みはなかった。そもそも、美術品は購入者と作品との「出会い」があり、なかには「値のつく作品」もある。前年と比べてもあまり参考にならないそうで、「高額品の売れ行きを左右する多くは高級腕時計や宝石、アクセサリー類になります」という。