日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会をめぐり、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が会場使用を拒み、組合員の宿泊予約も解除した問題で、舛添厚生労働相は18日、ホテル側の行為が「旅館業法に違反する疑いが濃厚と思う」と述べ、港区が事情聴取する予定だと明らかにした。ホテル側に対し、行政が指導する可能性が浮上してきた。
旅館業法は、伝染病や違法行為のおそれ、空室がないなどの理由がある場合を除き、ホテルなどが宿泊を拒んではならないと定めている。指導は都道府県知事の権限だが、東京都の場合は区に権限移譲している。
また、鳩山法相はホテル側が裁判所の決定に従わず、会場使用を認めなかった対応について「裁判を無視して、これに反する行動を取る当事者がもしいれば、法治国家にあるまじき事態だ」と批判した。いずれも衆院予算委員会で山井和則氏(民主)の質問に答えた。
この問題では、プリンスホテル側が全体集会で使われる予定だった宴会場と、宿泊室約190室の予約を一方的に解除。宴会場については東京地裁、高裁が使用を認める決定を出したが、従わなかった。宿泊拒否をめぐっては、ハンセン病歴を理由に拒否した熊本県南小国町のホテルが04年、同県から営業停止3日間の処分を受けた例がある。
プリンスホテル側は「宿泊も集会と同様に、周辺地域に迷惑をかける恐れがあると考えたのでキャンセルした。行政機関に対してはホテルとしての考え方をきちんと説明していきたいと考えている」と話している。
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