【ロサンゼルス=飯田達人】米農務省は17日、米カリフォルニア州の食肉加工会社に対し、歩行困難になった牛に適切な処置をしなかったとして、2006年2月以降に加工した牛肉約6万5000トンを自主回収するよう命じた。
米国で過去最大規模の回収命令という。
命令を受けたのは、ロサンゼルス郊外に加工工場がある「ホールマーク・ウエストランド食肉加工」。歩行困難になった牛はBSE(牛海綿状脳症)に感染した恐れがあり、獣医師の診察義務などが定められている。動物愛護団体が隠し撮りしたビデオにより、同社従業員が歩行困難な牛を虐待死させていたことが分かり、同省が調査を始めていた。
同社からの対日輸出はないが、日本の農林水産省は1月末、詳細な情報提供を米国政府に求めた。