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2008年02月17日(日) 00時28分

東芝、HD方式撤退検討 次世代DVD事業見直し中国新聞

 高画質な映像を記録できる次世代DVD規格で「HD DVD」方式を主導してきた東芝が、同事業からの全面撤退を含めた事業見直しの検討に入ったことが十六日、分かった。米国での販売状況などを見極めた上で最終的に判断する。

 次世代DVDは、「HD DVD」とソニーや松下電器産業が推進する「ブルーレイディスク(BD)」の互換性のない二方式が対立し、規格競争を繰り広げてきた。今回、ブルーレイ方式に規格が事実上一本化される見通しとなり、次世代DVDの普及がようやく本格化しそうだ。

 東芝は「HD DVD」規格でプレーヤー(再生専用機)やレコーダー(録画再生機)だけでなく、青森県の工場ではパソコン用の駆動装置も生産しており、駆動装置など一部の生産を継続する可能性がある。全面撤退する場合でもアフターサービスなどは継続する。

 東芝は、デジタル家電の中核商品でつまずくことになり、撤退の際にはかなりの損失が見込まれる。

 次世代DVDの規格競争では、米ハリウッドの映画会社を巻き込んだ競争が続いていたが、米映画大手のワーナー・ブラザースが今年一月、販売する映画ソフトをブルーレイ方式に一本化する方針を表明。

 十五日には米小売り最大手のウォルマート・ストアーズがプレーヤーやソフトの販売をブルーレイ方式に限定する方針を決め、「HD DVD」事業は継続が難しい状況に追い込まれた。

 ウォルマートは「消費者がブルーレイを選ぶ傾向がはっきりしてきた」と説明。全米約四千店で在庫のHD製品を売り切った後は、ブルーレイ方式だけを扱う。

 家電量販店最大手の米ベストバイもブルーレイ方式を優先販売する方針を明らかにしており、米国でブルーレイの優位が固まった。

 レコーダーが主流の日本でも、この年末商戦で、ブルーレイ方式のレコーダーの販売台数が約95%となるなど、「HD DVD」は完敗だった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802170097.html