日航の釜山発成田行き958便ボーイング767(乗客乗員280人)が今月6日、乗客に出す軽食の弁当が入ったカート1台をギャレー(調理室)に収納できず、トイレに押し込んだまま離着陸していたことが16日、分かった。
離陸後、トイレから出してそのまま乗客に軽食を出して、着陸時に再びトイレに入れたという。客室乗務員が機長に報告したのは成田到着後だった。
日航では2005年、ジャカルタ便でカート2台の収納が間に合わず、客室乗務員が手で押さえたまま成田空港に着陸し、国土交通省が厳重注意している。日航と国交省は「安全上問題なかった」としているが、国交省は「離陸前に機長に報告すべきで、コミュニケーションに問題がある」として、日航に調査を指示した。
また、日航はトイレにカートを入れたことについて「機内食は封がしてあったとはいえ、配慮が足りなかった。お客さまに申し訳ない」としている。
日航によると、958便は機体前方の入り口近くに乗客が新聞を取りやすいようにカート2台を並べ上に置いていた。
滑走路に向かう誘導路走行中に客室乗務員が後方のギャレーに移動したが収納スペースがいっぱいで、危険防止のため軽食が入ったカートが離陸中に動かないようトイレに押し込んだ。
釜山で降ろすはずだった前の便のカートを1台降ろし忘れたため収納スペースが足りなくなったという。958便は午後2時半ごろ、釜山を出発、午後4時25分ごろ成田に到着した。
カートをめぐってはスカイマーク機でも昨年11月、羽田空港に着陸時にカート2台が収納場所から飛び出し、うち1台が通路を走って乗客2人が足を骨折するなどのけがをする事故が起きている。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080216-OHT1T00120.htm