アニメ画像を無許可で使ったコンピューターウイルスがネット上に流された事件で、大阪電気通信大大学院生の中辻正人容疑者(24)=大阪府泉佐野市中庄=が、逮捕容疑となったウイルスとは別に、知人2人の名前や電話番号を添付したウイルスを作っていた疑いがあることが14日、京都府警の調べでわかった。府警は、最初に作成したウイルスに知人男性の名前や電話番号を無断で使って信用や名誉を傷つけたとする名誉棄損容疑で、同容疑者を近く再逮捕する。
京都地検は同日、中辻容疑者を著作権法違反の罪で起訴した。
府警ハイテク犯罪対策室の調べによると、新たに個人情報を流された2人のうち、大阪府箕面市の男性は約2年前、知らない人物から携帯電話に着信があり、自分の番号がネット上で暴露されていることを確認。同府寝屋川市に住む男性も、ウイルスの被害者とみられる人から「おれのパソコンに何してくれるんや」などと伝言メッセージが携帯に入り、情報の流出に気が付いたという。
中辻容疑者は約3年前、大阪電気通信大大学院の同級生で京都府内に住む知人男性の顔写真や住所、電話番号などを仕込んだ最初のウイルスを作成した。
その後、同じ大学院に通う大阪府内の男性2人の携帯や自宅電話の番号が表示される「亜種ウイルス」を次々と作り、いずれもファイル交換ソフト「Winny」(ウィニー)のネットワークに流したとみられる。
これまでの調べに対し、中辻容疑者は「知っている人間の顔写真などが出回れば面白いと思ってやった」などと供述。府警は京都府の知人男性の画像などをネットに流した行為について、男性自身がウイルス流布にかかわったと受け取られるようにして名誉を傷つけたと判断。名誉棄損容疑での強制捜査を決めた。
著作権法違反罪の起訴状によると、中辻容疑者は昨年11月28日、テレビアニメの画像を添付したウイルスをファイル交換ソフト「Winny」(ウィニー)を介してネット上に流し、アニメ制作会社の著作権や著作者人格権を侵害したとされる。 アサヒ・コムトップへ
http://www.asahi.com/national/update/0215/OSK200802140095.html