米大統領選の熾烈(しれつ)な民主党候補指名争いでバラク・オバマ氏への支持が広がるにつれ、福井県小浜(おばま)市が興奮に包まれている。「オ・バ・マ」という音つながりを頼りに、地元有志は応援する会を立ち上げ、同市も「必勝だるま」を贈ることを決めた。海外からの注目も集め、AP(米)やロイター(英)など大手通信社やABCテレビ(米)が取材し、ニューヨーク・タイムズ(米)も18日に現地入りする予定だ。
小浜市がオバマ氏あてに送る「必勝だるま」=福井県小浜市役所で
きっかけは市民から同市に一昨年末に寄せられた1通の電子メール。来日したオバマ氏が成田の税関職員に「私も小浜市出身」と告げられた——というエピソードをニュース番組が報じたという知らせだった。
市のPRに協力してくれたとして、市は翌年1月、オバマ氏に村上利夫市長名の親書と伝統産業の若狭塗の夫婦箸(ばし)を送った。今後、日本の選挙の必須アイテム「必勝だるま」(直径10センチ、高さ7センチ)も贈る予定だ。
市の知名度アップの好機に、観光業界も指をくわえてはいられない。今月5日のスーパーチューズデーでオバマ氏が健闘したのを受けて、観光協会会員の商店主や会社経営者ら30人が「オバマ候補を勝手に応援する会」を発足させた。これから「アイラブ オバマ」の必勝はちまきも作り、応援団として「オバマガール」も編成する予定だ。
こうした興奮ぶりをメディアは見逃さない。今月10日にあったAFP通信(仏)の取材には、村上市長が日曜日にもかかわらず市役所内で1時間にわたって応対。イラク戦争や京都議定書に対するオバマ氏の姿勢に賛同したという。
村上市長は「オバマ氏の宣伝効果は抜群。外国からの観光客も増えてくれれば」と話し、オバマ氏の出身地・ハワイ・ホノルルとの友好都市提携も目指すという。 アサヒ・コムトップへ
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