「地下鉄サリン事件」の実行犯の1人で殺人などの罪に問われたオウム真理教元幹部・林泰男被告(50)の上告審で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は15日、林被告の上告を棄却する判決を言い渡した。死刑判決が確定する。
教団による一連の事件の死刑確定は5人目。地下鉄サリン事件の実行犯では横山死刑囚に次いで2人目。
第二小法廷は「不特定多数者を無差別に殺害するテロ行為を企てた犯行で、法治国家に対する挑戦だ」と述べ、一連のオウム事件で最高裁として初めて「テロ」という言葉を使用。林被告がサリンを散布した路線では、事件のあった5路線の中で最多の8人の死者が出たことから、死刑はやむを得ないと結論づけた。
一、二審判決によると林被告は95年3月、東京都内の地下鉄日比谷線の電車内でサリンを散布し、乗客を殺害するなどした。このほか、94年6月に長野県松本市で起きた「松本サリン事件」ではサリンを噴霧するトラックの製作にかかわり、95年5月には東京・新宿に青酸ガス発生装置を仕掛けた。
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「全被害者のおよそ7割が林被告がサリンを散布した路線。何の疑問もなく死刑が確定することになり、一区切りがついた」。林被告の判決後、地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさん(60)は記者会見でこう語った。今もめまいなどの後遺症が残る被害者の光野充さん(66)も「ここまで長かったが、判決を聞いてひと安心した」と話した。 アサヒ・コムトップへ
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