記事登録
2008年02月15日(金) 16時06分

<オウム裁判>林泰男被告の死刑確定へ 最高裁が上告棄却毎日新聞

 地下鉄サリン事件の散布役で、松本サリン事件にも関与したとして殺人罪などに問われた元オウム真理教幹部、林泰男被告(50)に対し、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は15日、上告を棄却した。小法廷は判決で「不特定多数を無差別に殺害するテロ行為で、反社会的で悪質の極みだ」と指摘した。1、2審の死刑判決が確定する。

 地下鉄サリン事件について最高裁が「テロ」と表現したのは初めて。一連のオウム事件で死刑確定は、教祖の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(52)らに次いで5人目。

 弁護側は「犯行を断って危害を加えられることを恐れ従属的立場で関与していた」と死刑回避を主張。しかし小法廷は「教団幹部の指示でサリン散布を引き受けたことなど有利な事情を十分考慮しても、被告の責任は重大で死刑はやむを得ない」と退けた。

 1審・東京地裁(00年6月)、2審・東京高裁(03年12月)の判決によると、林被告は95年3月、12人が死亡した地下鉄サリン事件で、他の実行役より1袋多い3袋のサリンを散布し8人を殺害。94年6月の松本事件ではサリン噴霧車製造に関与(殺人ほう助罪なと)。また95年5月、東京・新宿で青酸ガス発生装置を仕掛けた(殺人未遂罪)。【高倉友彰】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080215-00000067-mai-soci