在沖縄米海兵隊員が女子中学生に暴行したとされる事件で、昨年9月にあった教科書検定意見の撤回を求める県民大会の中心になった団体が、抗議の活動を始めた。「教科書問題といい、事件といい、沖縄は爆発寸前だ」。沖縄の怒りを伝えるために、再び県民大会を開こうという動きも出始めている。
呼びかけ人となっているのは、沖縄戦の「集団自決」を巡る教科書検定問題で、県民大会の実行委員会副委員長を務めた県婦人連合会会長の小渡(おど)ハル子さんと、県子ども会育成連絡協議会会長の玉寄哲永さん。
昨年9月の県民大会には、95年の少女暴行事件後の県民大会を上回る11万人(主催者発表)が集まった。だが、文部科学省は「集団自決」に軍の「関与」があったとする記述を復活させたが、検定意見の撤回には応じず、軍の「強制」という記述も認めなかった。「教科書問題で、日本政府に沖縄の声は伝わらなかった」。2人にはそんな思いが残っている。
今回の事件を受け、小渡さんは早速、抗議文を書き、沖縄防衛局に提出。仲井真弘多知事に会って、「一日も早い基地の撤去を」と要請した。玉寄さんも近く米側に抗議する予定だ。
「教科書問題も解決しないうちに、今度は米兵。日本政府は沖縄のために何をやってくれたのか」と小渡さんは言う。
知り合いから「今回も抗議の旗振り役をやってくれ」と声をかけられた玉寄さんは昨年の大会に協力してくれた人たちに連絡を取り始めた。玉寄さんは「1万人規模でもいい。こんな重大な時に沖縄の意思を示さないと」と話す。 アサヒ・コムトップへ
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