被告12人全員の無罪が確定した鹿児島県議選の公職選挙法違反をめぐる「志布志事件」について、鳩山法相は13日、法務省で開かれた検察長官会同の席上で「私は冤罪と呼ぶべきではないと考えている」と発言した。後で記者会見を開くなどして、冤罪の定義について「無実の罪で有罪判決を受け、確定した場合」とし、裁判の結果として無罪となったケースとは分けて考えたと釈明した。
鳩山氏の発言は、全国から集まった検事正たちに対し、捜査のあり方について反省を求める中で出てきた。富山県氷見市の男性が実刑判決を受け、服役した後で真犯人が発覚した強姦(ごうかん)事件を「冤罪」と表現し、志布志事件は冤罪ではない、との見解を示した。
鳩山法相は発言の後、省内で会見を開き、「志布志事件では、被告とされた方に大変ご迷惑をおかけし、社会通念上は冤罪と言われても致し方ない」と釈明した。
志布志事件では元県議らが公選法違反で逮捕、起訴された。鹿児島地裁は昨年2月の判決で「客観的な証拠は全くない」として12人全員を無罪とし、確定している。
事件をめぐっては最高検が昨年8月、「反省すべき点は率直に反省しなければならない」などとして再発防止策を報告書にまとめている。 アサヒ・コムトップへ
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