2008年02月13日(水) 03時03分
マザーズ上場ICFの株不正交換、元社長ら4人に逮捕状(読売新聞)
東証マザーズ上場のネット関連企業「アイ・シー・エフ(ICF)」(東京都港区、現オーベン)が不正な株式交換を行ったとされる疑惑で、大阪府警捜査4課は、同社の元社長(32)ら4人が大阪市の広告会社を買収する際に資産価値を過大評価した虚偽情報を流した疑いが強まったとして、金融商品取引法違反(偽計)容疑で逮捕状を取った。
証券取引等監視委員会と合同で13日に強制捜査に乗り出す。同社は企業の合併・買収(M&A)を繰り返し、同社関係者が数十億円の利益を得たとされ、自社の株価をつり上げる狙いがあったとみている。
ほかに逮捕状が出たのは、元取締役(34)、元筆頭株主でパチンコ情報提供会社「梁山泊(りょうざんぱく)」(大阪市)の実質経営者(57)、買収企業の価値を算定した公認会計士。
調べでは、4人は2004年12月、ICFが広告会社「大阪第一企画」(同)を株式交換で子会社化するに際し、債務超過状態だった同社の資産価値を8億円と過大算定し、その情報を公表した疑いが持たれている。
府警などによると、ICFは新株を発行したものの株式交換は行わず、ICF株は取引を仲介した租税回避地の英領・バージン諸島の投資会社から市場に売却された。大阪第一企画の資産価値かさ上げは、梁山泊が架空の広告業務を発注する形で、業績が向上したように見せかけていたという。
ICFは、06年1月までの約2年間に、16社のM&Aを繰り返し、株価は最大4・6倍に跳ね上がった。府警などは、4人が株式交換で発行した新株をICF関係者に還流させ、高値で売り抜けさせる狙いがあったとみている。
梁山泊の実質経営者は昨春、同社をめぐる株価操作事件で逮捕、起訴され、公判で「ICF株の取引で約20億円の利益を得た」と述べている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000010-yom-soci