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2008年02月13日(水) 02時31分

<梁山泊事件>13日強制捜査 代表ら証取法違反容疑毎日新聞

 パチンコ情報会社「梁山泊」(大阪市)グループによる相場操縦事件で、東証マザーズ上場のIT関連企業「アイシーエフ」(現・オーベン、東京都)が自社の株価をつり上げる目的で不正な企業買収をし、虚偽情報を公表したなどとして、大阪府警捜査4課は13日、証券取引法(現金融商品取引法)違反(偽計)容疑で、アイ社に影響力を持っていた梁山泊グループ代表(57)=別の同法違反罪で公判中=と、アイ社元社長ら旧経営陣2人の計3人に対する強制捜査に乗り出す。

 府警は、グループ代表やアイ社旧経営陣がアイ社の株価をつり上げて売り抜け、巨額の利益を得る目的があったとみている。

 調べなどでは、アイ社は04年12月、グループが実質支配していた広告代理店「大阪第一企画」(大阪市)を株式交換の手法で買収することを公表した。

 第一企画は同9月時点で債務超過に陥っていたが、グループが増資をして債務超過状態を解消。架空取引を通じて第一企画の売上高の水増しを図り、企業価値を約8億円にかさ上げさせるなど経営状態を実態よりよく見せかけていた。また、第一企画は05年2月の子会社化後も、グループの関連会社との架空取引で売上高を水増しし、アイ社は連結業績の形で投資家向けに虚偽の公表をしていたとされる。アイ社株は買収公表日に1株31万円だったが、子会社化後には同40万円台にもつり上がった。府警は、グループ代表や旧経営陣らによるこうした一連の買収や虚偽公表が不正行為にあたると判断した。

 株式交換で第一企画が得たとされるアイ社株は、当時アイ社最高戦略顧問だったライブドア元取締役の榎本大輔氏(36)側を通じ、市場に売却されたとみられる。この結果、約8億円がグループ代表らに渡ったとみて、府警は証券取引等監視委員会とともに、株売買の経緯についても調べる方針。

 アイ社は04年1〜9月の間、筆頭株主がグループの関連会社だった。04〜06年には株式交換で第一企画を含む16社を次々と買収。各社の売り上げが加わることで、アイ社の株価上昇を狙っていたとみられる。【稲垣淳】

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