2008年02月13日(水) 10時19分
人吉市 市職員がヤミ金に名簿 生活保護者286人分など 「借金あり断れず」(西日本新聞)
熊本県人吉市は12日、同市福祉生活部福祉課保護係の男性職員(49)が借金をしているヤミ金融業者の求めに応じ、生活保護の受給者名簿245世帯286人分を渡していたと発表した。市は同日、生活保護世帯の調査を始めた。これまでに被害の報告はないという。市は職員の懲戒処分や地方公務員法(守秘義務)違反での刑事告発も検討する。
市によると、職員は生活保護を担当するケースワーカー。昨年11月、ヤミ金融業者から名簿を渡すように求められた。職員は係長とケースワーカーしか知らないパスワードを使ってコンピューター端末を操作。氏名、生年月日、住所などが書かれた受給者名簿を印刷し、ファクスで業者に送った。
また、職員は自身が所属していた人吉球磨剣道連盟の会員名簿189人分もファクスで送っていたという。
市によると、職員が11日、市職員組合の委員長に相談して漏えいが発覚した。職員は消費者金融への返済が滞り、昨年5月に初めてヤミ金融業者から2万円を借り、これまで約800万円を業者に支払った。職員は「ヤミ金を使っていることをばらすと脅された。借金があり断り切れなかった」と話しているという。
同市の田中信孝市長は「意図的な情報流出で深刻に受け止めている」と陳謝した。
=2008/02/13付 西日本新聞朝刊=
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000004-nnp-l43