【ニューヨーク=池松洋】ソフトウエア世界最大手マイクロソフトから買収提案を受けたインターネット検索世界2位の米ヤフーが、現在提示されている条件での身売りを拒否する方針を固めたと、米メディアが9日、一斉に報じた。
11日にもマイクロソフトに拒否を通告するとみられる。ヤフーはマイクロソフトが提示した446億ドル(約4兆7500億円)の買収額が低すぎると判断した。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)によると、ヤフー経営陣は、1月末の株価に62%を上乗せした1株あたり31ドルという買収額は「過小評価だ」として、1株40ドル未満では買収に応じられない方針を確認した。
ヤフーが買収を拒否するのは、マイクロソフトから買収額引き上げなどを引き出す“条件闘争”との見方もある。ただ、マイクロソフトが、さらに約3割もの買収額の引き上げに応じるかどうかは不透明で、提案拒否となれば、マイクロソフトが敵対的買収に踏み切る可能性もある。
マイクロソフトが買収を断念した場合、ヤフーはネット検索最大手のグーグルとのネット広告分野での提携などの検討を進める方針と見られる。
だが、ヤフー経営陣も、買収期待で急上昇した同社の株価(8日時点で29・20ドル)をさらに引き上げる具体的な方策を示せなければ、株主からマイクロソフトに妥協すべきとの圧力が強まることも想定される。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080210-OYT1T00379.htm