獣医師の不祥事が相次いだことを受けて農林水産省は8日、獣医師国家試験の内容や実施時期を変更すると発表した。09年度の試験から倫理面を問う項目を追加する。10年度からは、現在3月上旬に行われている試験を2月に繰り上げる。
現行の試験は学説について2項目(計180問)、実地2項目(計120問)の4項目の試験がある。これに新たに倫理面の50問を追加する。動物のいのちをどうとらえるかや、情報開示についての基本的な考え方などを問う見込み。
獣医師試験をめぐっては昨年、問題作成者の麻布大教授が試験問題を漏らす事件があった。05年には、茨城県の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたのに、獣医師でもある経営者が感染の疑いがあることを知事に届けず、有罪判決をうけた。
倫理の項目の合格基準は当面、正解率7割にする。現行の4項目についての合格基準は6割だが、これは変更しない。
獣医師試験の合格率は例年80%以上で、1000人前後の合格者が出ている。獣医学部を持つ大学は国内に16ある。 アサヒ・コムトップへ
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