警察官を名乗った「あなたの口座が狙われている」という電話の後、今度は銀行員を装った男が訪ねて来てキャッシュカードを示すよう求められた、との相談が東京都内の高齢者から警視庁などに相次いでいることがわかった。男は、カード情報読み取り用とみられる機械をその場で操作しており、カード偽造が目的の可能性があるという。警視庁はカード情報の入手を狙った新しい手口として警戒している。
高齢者は、同じ大手都市銀行に口座を持つ女性5人。1月28日から2月4日にかけ、不審な電話や男の訪問を受けた。このうち、墨田区と中央区の女性には29日、ほぼ同じように、自分は警察官だという男から「詐欺グループに口座が狙われている。○○銀行に相談を」と電話があった。約30分後、この銀行の行員を名乗る男が女性宅を訪れ、「口座を凍結します。キャッシュカードを貸してください」と要求。女性がカードを渡すと、スキミング用とみられる機械にカードを通した後、カードを返して立ち去ったという。
不審に思った女性がいずれも銀行に連絡。男が女性に伝えた部署が存在しないことなどから、銀行がカードを使用停止にしたために、被害はなかった。男はスーツ姿の50代くらいに見えたといい、警視庁は同一人物とみている。都内では1月28日と今月1日、4日にも同じケースがあった。
銀行側は「行員が口座情報を聞くためお客様を訪問することはないので気をつけて」と呼びかけている。 アサヒ・コムトップへ
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