中国製冷凍ギョーザによる薬物中毒事件で、ギョーザ6袋に有機リン系農薬成分「メタミドホス」が付着していたことが明らかになった大阪府枚方市のスーパー「ハッピース枚方」の店長が4日、朝日新聞社の取材に応じた。店長は「触った瞬間に手をぬぐいたくなるようなネバネバ感だった」「アンモニアのようなにおいがした」などと発見当時の状況を語った。問題の商品と一緒に仕入れた計25袋が販売され、うち1袋は問題の商品と同じ段ボールに入っていたとみられる。
店長の橋本昌幸さん(46)によると、問題の「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」(20個入り)は昨年12月27日に店頭に並び、午前10時の開店と同時に特売を始めた。午後1時ごろ、買い物客がレジに持ってきた2袋の表面がネバネバするのに、レジ係の店員が気づいた。
店員が陳列棚を確認したところ、他の5〜6袋の表面も同じようにべとついていたため、卸業者「旭食品」の近畿冷凍流通センター(京都府久御山町)に回収を依頼。同センターが計11袋を持って帰った。同店は異状がないと思われた同種類のギョーザについては特売を続け、農薬成分が検出された商品と同じ日に仕入れた25袋と、それ以前に仕入れていた14袋の計39袋が売れたという。
同店によると、仕入れ段階で一つの段ボールにギョーザ12袋が入っていた。回収された11袋は同じ段ボールだったとみられ、残りの1袋は販売されたとみられる。
橋本さんは「袋を鼻に近づけると、アンモニアのようなにおいがした。別の商品の袋が破れて中身が付いたのかと思った。農薬が付着しているとは思ってもみなかった。ショックだ」と話した。これまで客から苦情や健康被害の訴えはないという。
2月3日、輸入元のジェイティフーズから「回収したギョーザの袋からメタミドホスが検出された」との連絡が入った。同日夜、問題のギョーザと同種類で賞味期限が同じ1袋が客から返品されてきたという。
一方、旭食品近畿冷凍流通センターは、運営する委託会社が商品の運送や保管をしている。管理する旭食品の関連会社の担当者は「こちらでは預かった商品の段ボールを出荷までに開けることはなく、異物が混入することはないと考えている」と話し、旭食品(本社・高知市)の広報担当者は「流通段階での不審点があったかなど、詳しいことを現在調べている」としている。 アサヒ・コムトップへ
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