中国製ギョーザによる中毒で、兵庫県警捜査1課は3日、同県高砂市の家族が中毒被害に遭った冷凍ギョーザと同じ日に製造された同種製品6袋の外側から有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。うち1袋は表面に穴が開いていた。日本生活協同組合連合会も2検体から農薬の残留基準以下の微量のメタミドホスを検出したことを明らかにした。
兵庫県と千葉県の3家族が食べた製品以外からメタミドホスが検出されたのは初めて。
また、中国側調査チームが日本側との共同調査のため来日。日本政府も調査チームを現地に派遣することを決めた。
新たに殺虫剤が付着していることが分かったのは、昨年10月1日に「天洋食品」の工場で製造された「中華deごちそうひとくち餃子」。兵庫県警は今後、中身のギョーザの鑑定も進める。
日本たばこ産業(JT)によると、昨年12月27日に大阪府枚方市のスーパーで2袋を買おうとして消費者が、パッケージがべたついているのに気付いた。
店側が、輸入販売したJTの子会社「ジェイティフーズ」に連絡。同社社員は、店舗に残っていた計11袋を回収した。
JTと、中国で買い付けを担当した双日食料は一部のギョーザの袋を開けて食べてみたが、異常はなかったという。
JTなどの検査では、パッケージ外側のべたつきにはリン酸化合物が含まれていることは判明したが、メタミドホスが含まれていることは分からなかった。
双日食料が天洋食品に確認したが、1月22日に「製造工程での付着の可能性は低い」との報告があったという。
双日食料は11袋のうち未開封の6袋と、動物検疫用として保管していた20袋を兵庫県警に提出していた。
県警の調べでは、パッケージの穴の位置は上部の左端。袋の折り目に近い場所の表裏に1つずつ計2つの穴があった。いずれも約一ミリ程度で、何かが貫通したように見えるという。ギョーザを並べるトレーに損傷はなかった。
高砂市の家族3人が食べたギョーザのパッケージには3ミリ大の、さらにトレーにも1ミリ大の穴がそれぞれ開いていた。
生協が検出したのは0・02—0・04PPm。ニラの残留基準の0・3PPmは下回っている。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080203-OHT1T00190.htm