中国の工場で冷凍ギョーザはどのように作られていたのか。日本生活協同組合連合会(日本生協連)は2日の記者会見で、天洋食品での製造の流れを説明した=チャート。明るい照明のもとで、帽子にマスク、白衣を身につけた作業員が具を一つひとつ皮に包んでいく。出荷までにはチェックも繰り返されるという。原料への混入を「考えにくい」とする日本生協連だが、今後も製造や流通の段階での混入を重点的に調べる方針だ。
製造工程
工場でのギョーザの製造工程は、1階と2階に分かれる。主に(1)具作り(2)皮を作って具を包む(3)蒸して冷ます(4)冷凍・包装という四つの作業エリアがあり、それぞれかかわる作業員も違う。
入り口が別々のエリア間は行き来できない。出入りの際には、手の洗浄や私物の持ち込み・持ち出しがないかなど、専門の従業員が数人でチェックするという。
第1段階は、工場の1階だ。まず、具になる豚肉と野菜のカット、洗浄、計量を行う。野菜の洗浄や混入物がないかを調べる検品は手作業という。白衣にマスクと帽子をつける。
皮作りは2階。原料の小麦粉から機械で薄くのばした後、丸くくりぬく。1階で作った具材を機械で混ぜ合わせるのも2階だ。140〜150人の作業員がステンレス製の作業台を囲み、手作業で包んで、トレーに載せていく。いったん蒸した後で冷風をあてて熱を冷ます。その後、トレーに載せたまま1階に戻し、「トンネルフリーザー」と呼ばれる機械で急速冷凍する。
この後、不良品が選別されると袋詰めだ。中毒被害が出た「CO・OP手作り餃子40個入り」の場合、40個ずつ手で入れていく。重さを点検した後、製造日と賞味期限を袋に印字する。金属探知とエックス線検査で混入物の有無をチェック。さらに印字の間違いがないかを確認した後、段ボールに12袋ずつ梱包(こんぽう)されるという。
選別と袋詰めは、数人が手作業で行う。ギョーザに触れるのは袋詰めが最後という。段ボールに梱包した後はコンテナに2500〜3000ケースずつ入れて、ドアを施錠。その後は、封印されたままの状態で出荷される。例えば、被害者が出た10月20日製造のギョーザは、コンテナに入った後にトラックで天津港へ運ばれ、船便で横浜港に着いている。
コンテナの鍵が開けられるのは、日本生協連の倉庫に入った後、冷蔵庫に保管される前だという。この後、冷蔵庫で検疫を受けると、全国6カ所の物流センターを通じて各生協の店舗や宅配センターに届けられる。
日本生協連は、こうした過程やこれまでの調査をふまえ、「製造工程か流通経路で故意または事故で入ったと考えて調査する」としている。 アサヒ・コムトップへ
http://www.asahi.com/national/update/0203/TKY200802020262.html