2008年02月02日(土) 11時22分
<中国製ギョーザ>公表前にJT株売り殺到 監視委が調査(毎日新聞)
中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、輸入元の「ジェイティフーズ」(東京都品川区)が自主回収を公表した2日前の1月28日、親会社の「日本たばこ産業」(JT、港区)株の売り注文が殺到し、株価は直前の取引日に比べ1割近く急落していたことが分かった。この日は東京証券取引所上場の株が軒並み下落したが、JTの下落率は際立っていた。JTは当時、被害を把握しており、証券取引等監視委員会は公表前に内部情報を悪用したインサイダー取引がなかったかどうか調査を始めた。
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中国製ギョーザ中毒事件
東証の記録によると、JT株は昨秋以降、終値で60万円台を推移していた。ところが1月28日の終値は、直前の取引日(25日)より4万8000円安の56万2000円に急落。通常、数千〜4万株程度だった出来高も5万2602株に急増した。当日の東京株式市場は米国の景気低迷を懸念した売りが殺到し、ほぼ全面安だったが、JT株の下落率は日経平均株価の倍近くになった。
JTの説明では、1月4日に日本生活協同組合連合会から千葉市の母娘の中毒について連絡を受け、同7日には品川区保健センターの知らせで兵庫県高砂市の家族3人の被害を把握。品質管理部などの社員が外部機関に食中毒検査を依頼し、検査結果を生協側に連絡するなどしていた。同30日の自主回収公表以前に、こうしたやり取りを通じ、情報が漏れた可能性がある。
JTのIR広報部は「不正取引があったとは考えておらず、現時点で社内調査は考えていない」と話している。【堀文彦】
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