2008年02月02日(土) 02時30分
<中国製ギョーザ>被害女性の検査依頼を拒否 千葉市保健所(毎日新聞)
中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、被害に遭った千葉市稲毛区の女性(36)が1月4日、市保健所に異常を感じたギョーザを直接持ち込み、検査を依頼したにもかかわらず、保健所が拒否していたことが分かった。保健所は販売したコープに連絡したが、独自調査は事実上行わなかった。
女性の父親(69)らによると、女性は4日午前10時半ごろ、昨年12月28日に食べて中毒症状が出たギョーザの食べ残しと口から吐き出した数個を持ち込み、「薬品のにおいがするので調べてほしい」と検査を依頼した。食べた後に下痢や嘔吐(おうと)の症状が出て入院し、購入先のコープに同じ袋に入っていた冷凍ギョーザなどを渡したことも伝えた。
保健所食品衛生課職員は、コープに連絡し、冷凍ギョーザを鑑定に出しているとの回答を得たため、「国内で何万個も流通している。食中毒なら他の患者が出てから検査しても遅くない」と持ち帰りを指示した。
この後、保健所は調査を行わず、1月7日になってコープから「食中毒の原因となる菌は発見されなかった」との報告を受けたため、結果を22、23日ごろ女性に連絡し、処理済みとした。30日に厚生労働省から「有機リン系中毒が発生している」と連絡があり、初めて女性が中毒症状だったことが分かった。
三井良雄食品衛生課長は「職員は薬品臭くないと判断した。においと殺虫剤を結びつける発想がなかったのは反省するが、初めての経験なので仕方ない」と釈明した。女性の父親は「1月4日の段階で、保健所がしかるべき措置を取っていれば、被害が広がらずに済んだ」と話した。【駒木智一、斎藤有香、中川聡子】
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