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2008年02月02日(土) 08時01分

兵庫の毒ギョーザ、袋に穴…外側から故意に開けられた!?スポーツ報知

 中国製ギョーザによる中毒で兵庫県警は1日、同県高砂市の自営業男性(51)ら家族3人が食べて被害に遭ったギョーザの包装袋に3ミリ大の穴が1つ開いていたと発表した。また以前に中国のギョーザの製造工場を見学した日本企業関係者が現地の衛生管理の厳しさを指摘。警察は農薬混入は、製造過程の間との見方をしていたが一転、人為的に開けられた穴の可能性も挙げた。また自治体などに健康被害を訴えた人は同日午後11時の集計で39都道府県の1117人に上った。

 兵庫県警の調べでは、高砂市の家族が食べた「中華deごちそう ひとくち餃子」包装袋に外側から開けたような穴が1か所あった。穴は3ミリ程度で包装袋の裏側の下の方にあり、裂けたような形。ギョーザを並べるトレーにも1ミリ大の穴が1つあり、包装袋の穴の位置とほぼ一致した。

 当初、穴が開けられたような形跡はないとしていたが、高砂署員が目で確認しただけだった。県警科学捜査研究所の再検査で、1月31日午後7時すぎになり、穴を発見した。包装の内側から中毒原因の有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検出され、中国の工場内での製造段階との見方が強まっていたが、棒状のもので穴が故意に開けられた可能性が出てきた。

 警察庁によると、千葉県で起きた2件の「CO・OP手作り餃子」の袋には穴が見つかっていない。千葉市の製品から検出されたメタミドホスは130ppmと基準の100倍以上の高濃度だったことが判明。同県市川市の被害家族が食べたギョーザの包装紙に付着していた断片からもメタミドホスが検出された。

 いつどこでメタミドホスは混入されたのか。兵庫県で被害が出た製品は昨年10月1日に製造され、11月2日に天津を出港、同月6日に大阪港へ入港。千葉県の製品は昨年10月20日に製造され、同月29日に天津を出港、11月5日に横浜港へ入港した。国内の流通ルートに接点はなく、兵庫県警幹部は「どの段階で、どのように開いた穴か分からない。人為的かも判然としない」と首をひねる。

 一方で、ギョーザを製造していた中国・河北省の「天洋食品」の工場を5、6回も視察した大阪府の食品輸入会社3社の社長は「衛生管理は万全だった」と話す。従業員は工場に入る前にマスクや頭にかぶるネットを着用。素手での作業だが、両手を消毒液につけ30秒ほど殺菌。すぐに液から手を出すと「まだ早い」と注意されていたという。

 収まる気配のない毒ギョーザ禍。中国では今年1月、労働者保護の観点の労働契約法が施行されたことで、昨年後半ごろから労務コスト上昇を懸念する企業側によるリストラが各地で相次いだ。天洋食品の工場周辺の地元住民からは「解雇された従業員の逆恨みとか、何か悪意がある事件では」との推測も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000113-sph-soci