中国製の冷凍ギョーザを食べた人が中毒症状を訴えた問題で、県内の保健所には31日、39人から食後に下痢や嘔吐(おうと)の症状が出たと届け出があった。いずれも、ほぼ回復したという。県などの調査で、学校給食に使われたケースはなかったが、影響はスーパーの店頭や家庭の食卓にとどまらず、外食産業にも及び始めた。
◆届け出
県とさいたま市の保健所には31日、回収対象となっている冷凍食品を購入した県民から計80件の電話相談が寄せられた。うち36件39人が下痢や嘔吐などの症状を訴えた。
上尾市の女性は、市内で購入した「CO・OP手作り餃子」を1月14日夜に食べたところ、間もなく吐き気と下痢の症状が出て医療機関を受診した。鷲宮町の女性は、久喜市内で購入した「中華deごちそう ひとくち餃子」を1月25日夜に食べ、腹の調子を崩した。
いずれも、有機リン系殺虫剤のメタミドホスは検出されなかった。千葉県で問題となった商品とは製造日が違っていた。
県は、スーパーなどの小売店から回収対象商品が撤去されたか、立ち入りと電話による調査を200施設で実施。その結果、全店舗が撤去済みだった。
◆外食産業
ラーメン店などを展開する「ハイデイ日高」(さいたま市)は、ギョーザの材料として使用していた中国産ニラの使用中止を決めた。安全性を確保するため、国産ニラに切り替えるという。
ステーキレストラン「どん」(鶴ヶ島市)は「食材は国内で加工しているので問題のメーカーとは無関係」としながらも、「消費者や市場の動向を見ながら中国産食材への対応を考えたい」。
「馬車道」(熊谷市)の担当者は「中国産の代替をどうするか、対応を検討している。ただ、お客が不安なものを出すわけにはいかない」と当惑した様子。
◆給食
県教委とさいたま市教委は、ジェイティフーズが中国の「天洋食品」から輸入した食品を学校給食に使っていないか緊急調査したが、健康被害はなかった。
同市保育課は、市内の認可外保育施設(定員14人)で07年11月中旬、乳幼児向け給食に「CO・OP手作り餃子」が使用されていたことを確認したが、被害の報告はないという。
◆コープ
さいたまコープの各事業所は、回収対象品を宅配で購入した組合員に電話で謝罪した。浦和センター(さいたま市南区)では、職員が手分けし、さいたま、川口など4市の118軒(12月購入分)に、「これ以上は食べず、ご返品ください」と受話器を片手に頭を下げていた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20080131-OYT8T00768.htm