中国製の冷凍ギョーザを食べた人が中毒になった問題で、県内では「ジェイティフーズ」(東京都品川区)が輸入した冷凍食品「ひとくち餃子(ギョーザ)」を食べて吐き気や下痢などをしたとの訴えが24人に上っていることが31日、県などの調べでわかった。ジェイティフーズのほかの回収対象食品などを含めると、横浜、相模原、綾瀬、藤沢、小田原市などで計35人となった。同社製品のスーパーなどからの回収や撤去も進んでいる。
県内で24人が食べて具合が悪くなったと訴えている「中華deごちそう ひとくち餃子」は、兵庫県高砂市で中毒を起こしている。
横浜市保健所によると、10人から下痢や嘔吐(おうと)などの訴えが寄せられた。10人は、2歳〜70歳代の男女で、昨年12〜1月にかけてギョーザを食べ、食中毒の症状が出たという。横浜市ではさらに7人が、ジェイティフーズが輸入した別の食品などを食べて、具合が悪くなったと訴えている。17人のうち医療機関で受診した人もいた。これまでのところ、中毒と診断されたケースはないという。
相模原市保健所によると、これまで8人が下痢や吐き気などを訴え出ている。8人は5家族で、10歳代〜60歳代。12月26日から1月29日にかけて食べていた。
藤沢市保健所によると、男性(68)は1月18日夕に食べた後、「19日夕から胃がもたれ、20〜21日に下痢の症状があった」という。
大和保健福祉事務所によると、綾瀬市の2歳男児が30日、「ひとくち餃子」を食べ、約30分後に嘔吐。もう1人が症状を訴えている。
また、30日に被害を訴えていた小田原市内の女性(28)と女児(3)に県が聞き取り調査をしたところ、女性の夫(34)も食べた翌朝に下痢をしていたことが分かった。自宅に残っていた「ひとくち餃子」の空き袋から同時期の製造品を割り出し、県衛生研究所で有機リン系殺虫剤が混入しているか検査している。
横浜市保健所はスーパーや百貨店241か所を調べたところ、41か所のスーパーで「ひとくち餃子」940袋が販売されていた。スーパーに販売禁止を命じ、すでに店頭から撤去された。
川崎市はスーパーなどで、ジェイティフーズの回収対象となっている23品目の撤去を指導するため、食品衛生法に基づく立ち入り検査を行った。職員が505店に立ち入り、店頭に並べていた69店で、撤去を確認した。
県教委によると、県内のすべての小中学校を対象に、同社の製品の学校給食での使用状況を調査したところ、厚木市立小学校10校が同社の製品を使用していた。
1月11日に6校(計2641食)、18日に4校(計2606食)が「柔らかく煮込んだロールキャベツ」を給食に出していたが、児童からの被害の訴えはないという。厚木市教委は、安全性が確認されるまで、同社製品を使用しないことを決めた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080201-OYT8T00098.htm