中国製の冷凍ギョーザで中毒症状を訴えている人が全国で相次いでいる問題で、県は31日、保健所などを通じて、輸入業者の「ジェイティフーズ」などが自主回収を決めた23商品の県内の流通状況や、健康被害を調査した。同日午後4時現在、これらの商品が原因とみられる健康被害の報告はなかった。ただ、自主回収される生協向けの3商品のうち、「CO・OP本場中国肉餃子」が昨年9月まで入荷され、卸業者20社で回収対象商品を計17種類扱っていた。いずれも流通販売は中止しているという。
県衛生薬務課によると、県内の生協では、回収商品の扱いは現在はないが、冷凍ギョーザを2006年11月〜07年9月に計10回入荷していた。ほかの卸売業者は、07年1月から08年1月29日現在で、6社が市販用のギョーザ、ロールキャベツなど5商品、14社が業務用のヒレカツなど12商品を扱っていた。いずれも現在は扱いを中止している。県は卸売業者から卸し先の業者に連絡し、回収対象商品を自主回収しているかどうか確認し、卸し先のリストを作成して県に提出するよう求めたという。
保健所に寄せられた健康被害に関する相談は、富士・東部で2件、中北で1件あった。ただ、回収対象のロールキャベツを食べて吐き気を覚え入院したが、千葉県の事例で冷凍ギョーザから検出された、有機リン系農薬による症状とは違うと医師に判断された——など、回収商品が原因と断定できるものはなかった。
スーパーでは対象商品のほか、中国製の商品を回収する動きが広がっている。読売新聞が31日に県内の大手スーパーなどを取材したところ、問題となった「中華deごちそう ひとくち餃子」を扱っていたのはオギノ24店舗、アピタ2店舗、イトーヨーカドー1店舗の計3社27店舗。いずれも30日のうちに商品を売り場から撤去し、すでに購入した買い物客向けに張り紙を出して、食べないように呼びかけている。
オギノ(甲府市)では、ジェイティフーズの冷凍食品全9品目、マルハの商品2品目、江崎グリコの商品1品目の計12品目を売り場から回収。山交百貨店(甲府市)でも、ジェイティフーズ、味の素、加ト吉の商品のほか、「中国産」と明記された冷凍食品計約30品目を売り場から回収した。甲府市内のスーパーで買い物をしていた同市幸町、主婦広瀬葉月さん(77)は「中国産には気をつけていたが、まさか食中毒だなんて。原産国の表示がない商品も多く不安」と話していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20080131-OYT8T00832.htm