中国製冷凍ギョーザによる中毒問題で、県内のスーパーマーケットなどでは31日、回収対象商品の返品を求めたり、対象外の食品も不安を訴えたりする客が相次ぎ、各店は回収品目を自主的に拡大するなど対応に追われた。また、県などは同日、県内のスーパーなど計32か所に立ち入り、回収対象食品が店頭から撤去されていることや、学校給食で対象商品が使われていないことを確認した。県によると、健康被害の報告は31日夜までにないという。
県によると、「ジェイティフーズ」(JTF、東京)の対象商品は2006年12月以降、県内で家庭用12袋入り5418ケース、業務用は717ケースが出荷された。
JTFが輸入した問題のギョーザ216袋を昨年3月以降、販売していた「生活協同組合CO・OPとやまみなみ店」(富山市堀川町)では31日、2袋が返品された。返品に訪れた女性(54)は「1月29日に買ったばかり。食べていたらと思うと、怖い」と話した。
スーパー「新鮮市場」(富山市)の各店は31日、客からの求めで、冷凍食品全部の返品に応じた。「大阪屋ショップ」(同)も回収対象外の中国産冷凍野菜の返品を認めた。
「アルビス」(射水市)では、回収対象外でもJTFの冷凍食品すべてを自主的に撤去。「ジェイティフーズ製品は大丈夫か」との問い合わせが相次ぎ、売り場での混乱を避けた。
ただ、業界は中国産食品の販売自体は続ける方針。アルビスは31日午前8時半から緊急会議を開き、中国産全面撤去の是非を検討したが、見送った。同社は「食品(売り場)の6割を構成するとみられる中国産食材を撤去すれば(供給)危機が起きる」と悩む。
富山市保健所や県内の厚生センターには31日、「問題の商品があるがどうすればよいか」「冷凍食品の安全性はどう確認しているのか」といった相談など計9件が寄せられた。
また、県教委は31日、各市町村教委を通じ、対象食品が少なくとも過去1か月は学校給食で使われていないことを確認。高岡、射水市教委は対象品以外でもJTFの食材は当面、給食に使わないことを決めた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20080201-OYT8T00039.htm