中国製の冷凍ギョーザによる中毒問題を受け、県は31日、県内の食料品店における加工食品の流通や回収の状況、学校給食での使用の有無などの調査に乗り出した。その結果、鯖江市立中学校2校で、食品会社が自主回収を始めた製品を給食に出していたことがわかった。被害はなかった。県内各地の食料品店も、次々と種類が増えていく問題製品を店頭から撤去する作業に追われた。
県スポーツ保健課はこの日、中毒が起きた冷凍ギョーザの輸入元「ジェイティフーズ」(東京都品川区)の加工食品が県内の学校給食に使用されていないかを緊急調査。学校給食を行っている小中学校など約310校のうち、鯖江市立鯖江中学校と同中央中学校が1月17日に、同社の自主回収対象となっている「豚肉と三色野菜の包み巻き」を約1650食分使用していた。
両校は市内の民間業者に給食業務を委託。同市教委は「業者に非があるわけではないが、食材に関しては安全性を十分吟味するよう要請したい」としている。
県食品安全・衛生課は、問題となった中国の製造元「河北省食品輸出入集団天洋食品工場」の製品の県内流通状況を発表。調査した県内の食料品店66店では、2007年10月から08年1月末にかけて、同社の製品13種類が約2万4300個販売され、このうち31日午後4時までに約2700個が回収されたとしている。同課は各店にこれらの製品を店頭から自主的に撤去するよう求めた。
坂井市坂井町下新庄の量販店「PLANT—2坂井店」では、問題の製品を冷凍食品コーナーから撤去した後、製品を食べないよう呼びかける張り紙をした。
コーナーでは、商品を手に取って名称や製造地を確認する買い物客の姿は見られたものの、購入する客はほとんどなかったという。売り場の担当者は「次から次へと撤去しなければならない製品が出てくる。問題のない商品まで売れなくなるのでは」と肩を落とした。
買い物に来ていたあわら市伊井、パート従業員宮川真理子さん(35)は「夫と私の弁当は便利な冷凍食品で済ませていたけど、しばらくは買う気がしない。不便ですが、命にかかわることなので仕方がないですね」と話していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20080131-OYT8T00637.htm