中国・河北省の「天洋食品」で製造された冷凍ギョーザによる中毒問題は、県内にも大きな波紋を広げた。問題のギョーザを販売していたコープさが生活協同組合(佐賀市)は31日、購入した組合員の特定を進め、電話で注意を呼びかけた。スーパーなども同社製の冷凍食品などを撤去し、県は調査を本格化させた。(丸谷一郎、尾畑実輝雄)
天洋食品の製品のうち、コープさが生協が販売していたのは「CO・OP手作り餃子40個560g」と「CO・OP本場中国肉餃子30個540g」。カタログによる個別注文などで昨年1月以降、計5349袋を販売し、運営するスーパー3店舗でも同年5月以降、281袋の「手作り餃子」を販売していた。
いずれも賞味期限は1年。カタログ受注分はすべて配達記録が残っており、購入者約3000人を特定した。残っていれば食べないよう、電話などで呼びかけているが、「すでに食べた」「覚えていない」という組合員がほとんどという。
一方、県教委は、全20市町の教育委員会に対し、小、中学校などの給食で天洋食品が製造した食材が使われていなかったか調べるよう通知。31日現在、使用したとの報告はないという。
県は、スーパーなどに職員を派遣し、回収対象の冷凍食品がないかチェック。佐賀市川副町の「スーパーモリナガ空港通り店」を訪れた佐賀中部保健福祉事務所の職員は、リストを手に冷凍食品コーナーを巡回し、丹念に調べていた。
同店の河合実店長(36)は「お客様が不安に思うような食品は撤去したいが、中国産・中国製の食品は多く、すべてを撤去するのは難しい」と困惑していた。
買い物に訪れた主婦江口和恵さん(34)(佐賀市川副町)は「これからは日本製の食品を買う。企業には利益より、安全対策を優先してほしい」と話していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20080131-OYT8T00849.htm