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2008年02月01日(金) 00時00分

中国ギョーザ中毒 県内でも異変訴える声読売新聞

冷凍食品のコーナーで、撤去状況などを確認する県川薩保健所の職員(薩摩川内市の「コープ川内」で)
組合員への事情説明に追われる生協職員(鹿児島市のコープかごしまの事務所で)

 中国・河北省の「天洋食品」で製造された冷凍ギョーザによる中毒が相次いでいる問題で、県内でも31日、このギョーザを食べて、体調に異変を感じたと訴える人が続出するなど影響が広がった。問題の商品を取り扱っていた生協やスーパー、食品卸売会社などは回収を進め、各保健所の職員も店舗に立ち入り、撤去状況を確認するなど対応に追われた。また、消費者からは、食の安全を脅かされたことへの怒りや中国産の食品に対する不信を訴える声が相次いだ。

■対応に追われる小売店

 生活協同組合コープかごしま(本部・鹿児島市、18店)は、県内17店で販売していたジェイティフーズの「CO・OP手作り餃子40個560g」など4商品をすべて撤去した。

 薩摩川内市の「コープ川内」では、計67個を売り場から撤去し、これまでに返金についての問い合わせなどが約10件寄せられた。

 鹿児島市の本部では、組合員の購入履歴から、賞味期限範囲となる1年の間に、対象商品を購入した約1万1000組合員に職員100人以上が手分けして電話連絡を取り、「もし保管していたら、食べずにコープへ戻して」と呼びかけた。その際、「そういえば食べたときにおなかが痛くなった」などの声が同日夕までに33人から寄せられた。

 県内15店舗を展開する山形屋ストア(鹿児島市)の各店では、回収対象の8商品の撤去とともに、全メーカーから安全確認を得られた31日午後1時20分まですべての冷凍食品の販売を中止した。

 同ストアの松下久宣運営部長は「スーパーの加工食品の原材料は、中国など外国産で7割を占める。その上、国内産と中国産では仕入れ値が大きく異なる。安心な商品をお届けすることと、1円でも安く販売することの両立は難しい」と話していた。

 県内のスーパーなど120店に問題の3品を卸していた「セイカ食品」(同)も回収に追われ、担当者は「経営的な影響も大きい」と困惑していた。

 ファミリーレストラン「ガスト」や「バーミヤン」などを全国展開する「すかいらーく」(東京都)の中国製食品の使用禁止を受けて、31日、県内のガスト12店、バーミヤン1店、夢庵2店も同様の措置を取った。

■市民生活への影響

 県は天洋食品が製造した冷凍ギョーザなどの問題食品の流通経路の調査に乗り出すとともに、業者が自主回収を適切に行うよう各保健所を通じて指導。各保健所は31日、さっそくスーパーなどに立ち入り調査を行い、商品の撤去が確実に行われているかを調べた。

 一方、学校給食では昨年11月以降、鹿児島市の市立小中学校計5校、日置市の市立小中学校計8校の給食で、回収対象となった食品が使われていたことが判明。いずれも健康被害などの訴えはなかった。

 消費者からは怒りと不安の声が相次いだ。鹿児島市田上町のコープ田上店で買い物をしていた主婦(48)は「問題となった冷凍ギョーザを1年ほど前に購入したことがあるが、まさかこんな事態になるとは……」。鹿屋市の主婦(42)は「国内の食品会社の商品は国産とばかり思っていたので、知らないうちに危険な中国産の冷凍食品を食べていたかもしれないと思うと怖い。子供の弁当など冷凍食品はよく利用するのでとてもショック」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20080131-OYT8T00692.htm