2008年02月01日(金) 05時31分
受精卵の核小体は卵子から=謎の解明に期待−理研など(時事通信)
哺乳(ほにゅう)類の受精卵にある「核小体」は母の卵子だけから引き継がれ、核小体がないと胚(はい)の成長が途中で止まってしまうことが分かった。理化学研究所と神戸大、チェコ国立研究所などの研究チームが、マウスとブタの体外受精卵で発見し、1日付の米科学誌サイエンスに発表した。
受精の際、父の精子か母の卵子の一方から引き継がれることが分かった細胞小器官は、卵子由来のミトコンドリア(1974年発見)、精子由来の「中心小体」(76年発見)に続き、3番目。
体細胞の細胞核内にある核小体は、遺伝子からの情報に基づき、たんぱく質を合成する「リボソーム」を構築する場所であることが知られる。しかし、卵子のもとの卵母細胞にある核小体は、これまでは機能がなく不要と考えられてきた。今回の発見でこの見方が覆され、まだ謎が多い受精の仕組みの解明が進むと期待される。
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