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2008年02月01日(金) 20時16分

<中国製ギョーザ>食品メーカーなどで「意図的混入説」強く毎日新聞

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件について、国内の食品メーカーや小売企業の間では、「意図的な混入説」を挙げる声が強まっている。各社はこれまで、中国の現地工場などの品質や安全管理体制の強化に取り組んできており、「人体に深刻な被害を与えるほどの薬物の混入は、通常の生産管理体制の下では考えられない」(小売り)ためだ。

 各社は、中国産食品への不信感が高まっていることを受けて、輸入食材や食品の安全性確保のための工夫を重ねてきた。日清食品は06年11月、中国・上海市に独自に検査機関を開設し、日本に輸入する農産物の残留農薬や、畜産・水産物の有害物含有などを検査している。日本にも同様の検査機関を持ち、二重のチェック体制をとってきた。

 小売りではイオンが、衛生管理にとどまらず、現地企業で労働争議が起きていないかどうかや法令順守体制が万全かなどについても、調べたうえで自社ブランド製品の生産委託先を選んでいる。農薬検査も畑を含め全5段階で行っており、「農場の中には管理が日本より進んでいるところもある」(担当役員)という。

 中毒の原因となったギョーザを製造した天洋食品は日本の19社と取引しており、各社は自ら工場の品質管理体制をチェックするなどしたうえで、安全管理が十分だと判断してきた。このため、「よほどのことがない限り、大量の薬物が製造過程で誤って混入することは考えにくい」(食品大手)との見方が根強い。

 現段階では意図的な毒物混入かどうかは不明だが、日清の安藤宏基社長は「意図的な混入を防ぐには、すべての商品を対象に検査しなければならない」と、問題解決に限界があることを認めている。【平地修、工藤昭久】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000120-mai-soci