2008年02月01日(金) 12時02分
中国製ギョーザ中毒:9人被害の疑い 冷凍食品、23社に流通 /新潟(毎日新聞)
◇ギョーザ中毒、スーパー対応に追われ
中国産の冷凍ギョーザを食べた人が中毒症状を訴えた問題で、県内では31日、上越市や新潟市、長岡市の計9人が下痢などの症状を訴えた。有機リン系薬物による中毒は確認されていないが、スーパーなどの店頭では、返品を求める消費者らの対応に追われた。【五十嵐和大、黒田阿紗子、川畑さおり】
■被害相談
上越市消費生活センターによると、31日早朝、市内の女性(55)から「報道されたギョーザを昨日の夕食に30歳の息子と食べた。下痢や吐き気がして心配」との相談があった。
2人はジェイティフーズ(東京都品川区)が輸入した「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」を食べたと説明したが、診察の結果、中毒症状は確認できなかった。
また、同餃子を食べた長岡市の2人と、同社製の「CO・OP手作り餃子」を食べた新潟市の5人も健康被害の疑いがあり、詳しく事情を聴く。
一方、妙高市内の小学校5校では1月10〜29日、問題のギョーザと同じ工場で製造された冷凍ロールキャベツを児童ら791人が食べた。健康被害の報告はない。同市教委は1日、保護者向けに経緯を説明する文書を配布する予定だ。
■製品撤去
県は30日深夜、ジェイティフーズが中国から輸入し、中毒の疑いが否定できない冷凍食品が県内23社の小売店に出回ったと発表。各店舗では、売り場から該当する食品を撤去し、店頭に告知の文面を張り出して返品、返金に応じている。
新潟市中央区女池4の県総合生活協同組合「コープ女池店」では31日午後3時過ぎ、新潟市保健所の担当者2人が立ち入り調査を実施。撤去漏れがないかなどについて調べた。
ただ、時間がたつにつれ、同じ製造工場の製品を輸入したのが全国で19社(88品目)に上り対象製品が拡大。流通した店舗数は「集計しきれない」(県生活衛生課)という。
県内の食品卸関係者は「こうした被害をどのように水際で食い止めればいいのか。仮に人為的な問題だとすれば、防ぎようがない」と憤る。
■返品
コープ女池店では、昨年11月以降に販売した、問題の冷凍ギョーザ47パックのうち44パックを、組合員ら36人が購入したことを確認。絶対に食べないよう、電話で注意喚起している。残り3個の販売先は不明。
返品に訪れた中央区の主婦(40)は「時間がないときに使おうと思い、初めて買った。食べなくて良かった」と安堵(あんど)していた。
■相談窓口
県生活衛生課などによると、30日の問題発覚以降、県内13の保健所には消費者からの相談が相次いでいる。
新潟市保健所には31日、25件の問い合わせがあった。「中国産の冷凍食品が不安だが、食べてもいいのか」などと不安の声が寄せられたという。
同保健所は来月8日まで、専用の電話相談窓口(025・226・1565)を設置する。今週末は県生活衛生課(025・280・5205)や県消費生活センター(025・285・4196、土曜のみ)でも問い合わせを受け付ける。
2月1日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000085-mailo-l15