記事登録
2008年02月01日(金) 10時09分

県内でも被害訴え次々 中国製ギョーザ中毒問題 業者 販売中止や撤去急ぐ 消費者 安全面への不安口に西日本新聞

 輸入された中国製ギョーザの中毒問題は、県内でも食べた人が吐き気を訴えるなど大きな波紋を呼んでいる。当初、2品目とみられていた“疑惑”の商品の種類が大幅に増え、小売りや食品関連の業者は1月30日の問題発覚以降、商品の自主撤去などの対応に懸命。店を訪れた主婦らは「もう中国製は買わない」と口をそろえて中国製食品への不安を訴えた。

★大慌ての流通

 問題の冷凍ギョーザを販売していた生活協同組合コープかごしま(鹿児島市田上町)では30日の発覚後から、3つの商品の撤去を始め、31日までに完了。昨年1月以降に商品を買った組合員延べ約1万人をリストアップし、電話で「食べないで」と呼び掛けている。

 冷凍ギョーザ製造元の中国河北省の「天洋食品」からギョーザ以外の食品を輸入していた業者数が増加するにつれ、スーパーなどは対応に大わらわ。

 山形屋ストア(鹿児島市城西3丁目)では30日夜、冷凍食品の販売を中止し、商品のメーカーに問い合わせて安全性をチェック。冷凍ギョーザの販売元だったジェイティフーズの商品を除き、31日午後1時すぎから販売を再開した。

 鹿児島市の大手卸業者は、市販用に卸した3種類の計約6万パックの回収に乗り出した。納入先は約120カ所に及ぶ。商品納入の際に、トラックに積んで戻るという。一連の「食の偽装」などの問題で、同社は昨年秋以降の冷凍食品の売り上げが、前年同期比で8‐9割に落ち込むとみている。

★青ざめる主婦

 コープかごしまによると、31日夕までに、体調不良を訴える連絡が33件あった。ほとんどが問題の冷凍ギョーザを食べた客で、このうち10件が病院に受診。6件で吐き気や目まいなどがあったという。県にも吐き気などを訴える電話が2人からあった。

 同コープで問題の冷凍ギョーザを共同購入したことがある主婦(41)は「中国産はいろいろと問題があったので、最近は買わないようにしていた。生協の商品には安心というイメージがあったが」と青ざめた。

 鹿児島市内のスーパーで買い物をしていた主婦(53)は「偽装とか食品の問題がいろいろあって、何が安全なのか分からなくなる。特に中国産は怖い」と不安を口にした。

★学校給食にも

 鹿児島市と日置市の学校給食センターなど計3カ所の給食施設で、問題の商品を使用していたことが判明した。

 鹿児島市では昨年11月、小学校と中学校の計4校の給食を作る郡山学校給食センターで、ジェイティフーズのロールキャベツを、同市の和田中学校では今月、同社のポークカツを計約1800個使用。日置市の伊集院学校給食センターでは今月15日、小学校と中学校計8校の2700人分でポークカツを使った。県教委は31日、各市町村教育長などに対し、学校給食用食材に対する安全対策の徹底を呼び掛ける文書を送った。

 また、県の各保健所は同日、店舗や飲食店に問題の商品が陳列されていたり、使用されていないか確認した。

=2008/02/01付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000017-nnp-l46