兵庫、千葉両県で30日に発覚した中国製冷凍ギョーザによる食中毒問題。県内の消費者は「中国製の食品はもう信用できない」と憤り、買い控えの動きが出てきた。小売業者からは「自主的に安全管理をしたくても限界がある」と戸惑いの声が上がった。一方、県は近畿の他府県や政令市と協力して、小売業者などの本社に対し、早期の自主回収を呼びかけてもらうことを決めた。
この日午後6時過ぎの神戸市兵庫区のスーパー。夕食の準備で店内は大勢の買い物客でにぎわっていた。同区上沢通の主婦鈴木千加子さん(29)は「残留農薬の問題などもあって中国産の生鮮食品は極力避けてきた。今後はさらに注意して、中国関係の食品はもう買わない」と強い口調で話した。
一人暮らしで加工食品をよく購入するという兵庫区湊川町の警備員賀川修さん(63)は「中国産は野菜も加工食品も安すぎるので、何か怖いとは感じていた。これからは国産のものを買うようにしたい」と話した。
大量の商品を扱う流通、小売業者は深刻だ。コープこうべ広報室は「厳しい基準で検査しているが、もれなくチェックはし切れない。どういう対応ができるか考えていかないといけない」とする。
市内のスーパー店長(40)は「中国製品に不安がないと言えばうそになるが、中華料理の材料など仕入れざるを得ないものもある。消費者による中国製品の買い控えが心配だ」と困惑。
県は同日夕、川久通隆・生活衛生課長ら3人が緊急の記者会見。同様の有機リン中毒症状のケースは寄せられていないといい、「衛生を担当している者からすれば、(中毒症状の)出方は特異。広く汚染されているのであれば、もっと苦情が出てきていてもおかしくない」と語った。業者による自主回収や、県民への注意喚起がこれまでできなかったことについて、「回収命令は一括で、今回の主体は輸入元を管轄する東京都になるため」と説明し、県内の流通経路や販売店についても、「東京都から返答がなく、把握しきれていない」とした。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20080131-OYT8T00025.htm