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2008年01月31日(木) 00時00分

高砂で入院市民ら憤り市、対策本部設置検討も販売店、撤去相次ぐ読売新聞

中国製ギョーザ
問題のギョーザが撤去された冷凍ケース(30日午後5時51分、加古川市の山陽マルナカ加古川店で)

 中国製冷凍ギョーザを食べた高砂市や千葉県市川市の親子らが食中毒症状を訴え、入院するなどした問題で30日、被害者を出した高砂市や販売店がある加古川市など播磨地方の各自治体や店舗に衝撃が広がった。「まだ店頭に出ていないか」。担当者は情報収集や撤去などに追われ、買い物客らは「薬物が入っていたとは」「信じられない」と驚き、憤った。

 被害者が出た高砂市では、危機管理室が市民からの問い合わせにあたった。今後、影響が拡大した場合には対策本部を設置するとしており、「関係する機関と連携して情報収集を急ぎ、すぐに動ける態勢を早急に整えたい」としている。また、加古川市は同様に問い合わせがあった場合、県と相談するなどして対応するとしている。

 ギョーザが売られた加古川市別府町緑町のイトーヨーカドー加古川店。長女(3)と買い物をしていた播磨町野添の会社員宮本亜衣さん(24)は「子どものことを考えるともう怖い。値段が高くても、日本製を買いたい」と話した。

 また、同市別府町西脇の主婦山口緑さん(47)は「中国製は買わないよう気をつけていたが、冷凍食品は国産が少ないので買っていた」と不安げな表情。同店近くに住む無職男性(66)は「一人暮らしなので冷凍食品はよく買うが、農薬の成分が混入しているなんて、まったく信じられない」とあきれ、「輸入している日本の会社ももっと注意してほしい」と語気を強めた。

県、流通経路把握できず困惑

 県はこの日午後5時から県庁で、川久通隆・生活衛生課長ら3人が記者会見した。同課によると、県内ではこれまでに、同様の有機リン中毒症状の事案はないといい、「衛生を担当している者からすれば、(中毒症状の)出方は特異。広く汚染されているのであれば、もっと苦情が出てきていてもおかしくない」と困惑の表情を浮かべた。

 業者の自主回収や、県民への注意喚起がこれまでできなかったことについては、自主回収の命令は一括で、今回の主体は輸入元を管轄する東京都になるためとし、県内での流通経路や販売店舗についても、東京都から返答がなく、把握しきれていないという。

 県は急きょ、大手小売店やチェーン店の店先からの商品回収を促進するため、近畿の他の府県や政令市と協力し、30日夜から31日朝にかけて、各業者の本社が置かれている自治体から業者に早期の自主回収を呼びかけることを決めた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20080131-OYT8T00103.htm