中国製冷凍ギョーザを食べた兵庫県などの10人が吐き気や下痢などの症状を訴えていたことが明らかになった30日、県内のスーパーなどでも、原因となった商品だけでなく、中国の同じ工場で製造された冷凍食品を撤去する動きが相次いだ。県や和歌山市はこれらの商品の流通実態の把握に努めるとともに、消費者には食べないよう呼びかけている。
県生活衛生課の午後7時現在のまとめによると、吐き気などの原因となった商品と同じギョーザは、和歌山市、岩出市、橋本市のそれぞれスーパー1店舗で計45点が販売されていた。いずれも店頭からは既に撤去され、兵庫県などで見つかった有機リン系薬物「メタミドホス」による食中毒の患者は報告されていないという。
楠本隆・環境生活部長は「もし、該当の商品が手元にあっても、絶対に食べないでほしい。店側には、販売しないように働きかけていく」と話した。
わかやま市民生活協同組合(本部・和歌山市)では、日本生協連から連絡を受けた。岩出市のコープ岩出中央店に「ジェイティフーズ」のギョーザが2点あることがわかり、直ちに撤去した。体調不良を訴える電話などはないが、商品を購入した人から、開封済みの1点を引き取った。店内の掲示などで呼びかけ、さらに回収を急ぐ。
オークワ(本社・和歌山市)では、食中毒の原因となった商品と同じ工場で製造された2製品を含む「ジェイティフーズ」の冷凍食品20品目について、回収するよう全店に通達した。
消費者団体「県くらしの研究会」の南出初代会長は「起こるべくして起こった事件。ギョーザだけではないと思う。そもそも絶対に安全というものはあり得ないが、中国の業者任せではなく、輸入前にしっかりとチェックしてもらわないと」と厳しく注文をつけた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20080130-OYT8T00711.htm