中国製ギョーザによる中毒で、8月に開催される北京五輪での食の安全に対する懸念が再び高まるのは確実だ。農業省幹部は「選手村などで提供する食材の大部分は中国産」としている。各国・地域の選手団からは食品の持ち込み制限の緩和を求める動きも出てきそうだ。
北京五輪組織委員会はこれまで、食品の持ち込みを希望する選手団に対し「北京には世界の食材がそろっている」と強調。昨年、日本などに安全基準を満たさない食品の輸出が相次いだ際、中国政府は問題企業50社のブラックリストを発表するなどして信頼回復に力を入れてきた。
北京市は2005年に「五輪食品安全行動要綱」を制定。選手村や会場で使われる食材は指定された農場などで生産、電子チップを付けて流通から調理に至る全段階を管理する方針だ。これが徹底されれば少なくとも五輪エリア内での食についてはある程度安心できる。
しかし、五輪期間中に観客も含めた外国人に供される食事は約1300万食と予測されている。(北京、共同)