2008年01月31日(木) 11時15分
地元政府が検疫免除? 中国ギョーザ食中毒事件(産経新聞)
【石家荘(中国河北省)=野口東秀】中国製冷凍ギョーザ食中毒事件で31日、製造元の企業がある河北省の地元政府が同省の品質検査に合格すれば、商品の輸出の際、検疫を免除していた可能性が出てきた。製造元はインターネットで「設備も技術も一流」としているが、ずさんな安全管理体制の実情が浮上している。
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地元の消息筋によると、中国の国家品質監督検査検疫総局は数年前から、同社の商品について、地元の品質検査を合格すれば、輸出の際の検疫検査を実施する必要はないとの方針を地方政府に通達していた。このため、問題のギョーザについては、農薬などの検査が厳格に行われていなかった疑いが強い。
製造元の「河北省食品輸出入集団天洋食品工場」は1993年に設立され、従業員は約1000人。日本だけでなく、米国やオーストラリアの企業とも取引があり、冷凍食品を中心に年間約150万元(約2200万円)を輸出。冷凍食品のなかには、ソーセージ、鶏肉の野菜巻きなどの商品があるとしている。
現地では、同社の正門前に早朝から日本の報道陣が数十人ほど集まり、従業員らにインタビューしている。周囲をやじ馬が取り巻き、日本のギョーザの問題を知って、驚いた様子だった。門は固く閉ざされ、報道陣は1歩も中に入れることができない。出入りを管理する職員らは「何もわからない。ここの幹部はもう少ししたら来る」と答えるだけで、取り次ごうともしない。
同社では昨夜、労使間の協議があり、1日13時間の労働時間で、1カ月1000元(約1万5000円)の月給に不満を持つ労働者が賃上げを要求したという。従業員は主に敷地内の寮に寝泊まりしており、門前に姿を現すことはなかった。
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