2008年01月31日(木) 02時32分
<中国産ギョーザ>「苦い、おかしい」…被害の3人が証言(毎日新聞)
「とりあえず原因が分かってほっとした。残留農薬の話は知っているが、まさか自分が被害に遭うとは」。妻(47)、次男(18)と兵庫県高砂市内の自宅でギョーザを食べ、家族で入院した造園業の男性(51)ら3人が30日、毎日新聞の取材に応じた。男性は「怒りや憤りの気持ちもあるが、死にそうな目に遭ったので、他の人に被害が広がらないか心配だ」と話した。
ギョーザは妻と次男が同県加古川市のスーパーで購入。「おいしそう」と買い物かごに入れた次男が5日後に一部を食べたが異常はなく、今月5日午後6時ごろ、3人で残りを食べ始めた。直後に妻が「味がおかしい」と吐き出した。男性は「ちょっと苦いと思ったが、こんなもんだろう」と3個ほど食べ、残りを次男が食べた。
次男が食事が終わって「めまいがする」とこたつの横で倒れ、嘔吐(おうと)を繰り返す。顔は白く目の焦点が合わない。次男を救急車が搬送後、男性も病院に向かう準備中にめまいに襲われ、「足腰からみるみる力が抜けて、立っていられなくなった」。妻も異常を訴え、3人とも入院した。
翌日、男性が病室で目覚めると、九州の親族が来ていた。重篤な状態だった。悪寒やけいれん、下痢、嘔吐が数日続き、意識が混濁。同室の次男のベッドから「ゼイゼイ」と苦しそうな息が聞こえた。17日までに次男と妻は退院したが、男性は25日まで入院。寝ていたため足腰に力が入らず、退院後、仕事は控えている。医師から手足のしびれなどの後遺症の可能性も聞かされ、「不安」と言う。
千葉県市川市では22日夜、飲食店に勤める女性(47)が自宅で子供4人と夕食を始めた直後、長男(10)が「ギョーザが少し苦い、おかしいな」と言った。周りも同じことを話したが、40個入りを5人で残さずに食べた。
約30分後、次女(5)が嘔吐し下痢の症状が。他の子供3人も同じ状態になり、女性が隣家の姉(56)に助けを求めた。次女は意識不明の重体で、人工呼吸器を着けて搬送された。30日に意識が戻ったが、瞳孔が縮むなど有機リン系物質を飲んだ際の症状がみられた。5人はいまだに退院できていない。
千葉市の女性(36)は昨年12月28日夕、自宅で1個目のギョーザを口に入れて異臭を感じたが、2個目は感じなかったので数個を食べ、娘(3)も少し口にした。2人は病院に行き、女児は症状が軽くその日に帰宅したが、女性は別の病院に入院。点滴治療などを受け29日に退院した。【久野洋、山本太一、斎藤有香、中川聡子】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080131-00000020-mai-soci