「健康に影響を受けられた方々の一日も早い回復をお祈りしたい」
製品に農薬が混入、消費者に健康被害が発生したことを受けて開かれた記者会見の冒頭、頭を下げ謝罪する(左から)勝浦秀夫ジェイティフーズ社長、日野三代春JT執行役員、岩井睦雄JT取締役、飯村彰日本生活協同組合連合会常務理事=30日午後5時3分、東京都千代田区で
製品に農薬成分が混入、消費者に健康被害が発生したことを受けて開かれた記者会見で、資料に視線を走らせる(左から)勝浦秀夫ジェイティフーズ社長、日野三代春JT執行役員、岩井睦雄JT取締役と、飯村彰日本生活協同組合連合会常務理事=30日午後5時12分、東京都千代田区で
有機リン系農薬が検出された「コープ手作り餃子(ぎょうざ)」を販売していた日本たばこ産業(JT)と日本生活協同組合連合会(生協)は30日夕、記者会見で謝罪し、商品回収への協力を呼びかけた。
JT側3人と生協側1人が出席。「重大な危害が各地で広がる可能性がある」と訴えた。
生協は、千葉県内の親子が昨年12月28日に病院に運ばれていたことを把握しながら公表していなかった。生協の飯村彰常務理事は「異常を見つけることができず、回収には至らなかった」と釈明した。JTに依頼し、検査機関で異臭と細菌について調べる検査をしたものの、残留農薬などを調べる化学物質の検査は「思いつかなかった」と述べた。
一方、生協とは別のルートで売られた商品で、兵庫県で1月5日にあった2件目の食中毒について、JTも化学物質の分析は行わなかったという。
JTによると、サンプルを抜き出す検査は、中国から出荷する前に製造元が、輸入後にJT自身が実際に食べて実施している。生協はさらに原料段階から残留農薬の検査などもしてきたという。
JTの岩井睦雄取締役は「消費者の信頼を損なったことを深く認識している。原因はまだわからないが、チェック態勢ができていないことを深刻に受け止める」と語った。
生協は昨年、食品加工卸会社ミートホープ(北海道苫小牧市)による偽装ひき肉事件で、同社が偽装したコロッケを販売していた。JTも昨年11月、同じ事件に巻き込まれた加ト吉の買収を決定。生協、JTともに信頼回復を命題として再出発しているさなかだった。
生協の飯村常務理事は「品質管理のあり方を変えている最中。今回は実際に組合員の健康被害が出たことに責任を感じている」と話した。 アサヒ・コムトップへ
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