西日本のスーパーでも、商品を撤去する動きが相次いだ。
生協の店頭から撤去され、倉庫に集められた冷凍ギョーザ=30日午後5時48分、大阪府吹田市で スーパーの冷凍食品売り場に並ぶJTフーズの「ひとくち餃子」=30日午後5時40分、神戸市中央区で中毒となった兵庫県高砂市の家族が商品を購入したイトーヨーカドー加古川店(同県加古川市)。柚原泰彦店長(54)によると、今月7日、市の保健所から「食品の苦情などがないか」と尋ねられ、「ない」と答えた。29日になり、兵庫県警から「お宅が販売した『ひとくち餃子(ギョーザ)』に毒物が含まれていた可能性がある」と、同商品の12月の仕入れ、販売数などを聞かれたという。
同店は同社本部(東京)に指示を仰ぎ、29日夕、店頭にあった同商品21個を撤去した。
同社は、該当商品を複数店舗で扱っており、各店舗は30日、撤去作業に追われた。堺店(堺市)の木庭信副店長は「うちで扱う冷凍食品の3割は中国製。一番困るのはお客さんだが、イメージダウンも心配」と話した。
奈良市のスーパー「いそかわ押熊店」はこの日、冷凍食品の特売だった。問題のギョーザも半額で売っており、夕方の撤去までに14個が売れた。購入者から「返品したい」と苦情の電話が数本入り、対応に追われた。和歌山市のスーパーサンワ楠見店でも同日、24個が売れ、残りは撤去したが、問い合わせの電話があった。
滋賀県近江八幡市のユーストア近江八幡店は約10袋を撤去。30日の購入客はいなかったが、1年以上前から扱う人気商品だったという。コープこうべ(神戸市)でも店舗から対象商品を撤去。宅配商品を購入した客には31日以降、回収の連絡をする予定だという。
京都、大阪、兵庫、滋賀で食品スーパー「フレスコ」を展開するハートフレンド(京都市)は30日夜、ジェイティフーズのすべての冷凍食品の回収を決めた。「お客様に不安を与える可能性がある」と判断した。
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岡山、大阪、兵庫、広島で68店舗を展開する山陽マルナカ(本社・岡山市)でも、ジェイティフーズの商品を撤去するよう全店舗に指示した。
ユアーズ(本部・広島県海田町)でも、県内の店舗でジェイティフーズの商品を販売していたため、30日夕から店頭から撤去を始めた。鳥取市内で7店舗を展開するエスマートは、ジェイティフーズの全商品を店頭から撤去。スーパーのフジ(本社・松山市)は、四国4県と広島、山口県にある計81店舗で、ジェイティフーズのすべての冷凍食品を回収した。
高松市の「コープ栗林」では、3品目を店頭から撤去したが、客から「自分が食べたものが、そのギョーザなのか」との問い合わせの電話が相次いだ。金沢市の「コープたまぼこ」でも、該当商品を撤去し、予定していた仕入れもキャンセルした。同店によると、人気商品の一つ。仕入れ担当の角谷勉さんは「買われた方がたくさんいるので、何か起きないか心配です」と話した。