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2008年01月30日(水) 22時17分

中国食品、繰り返される「裏切り」産経新聞

 中国からの輸入食品をめぐっては、以前から有害物質の混入が絶えなかった。ダイエット用健康食品で肝障害を発症し死亡した事例(平成14年)があったが、今回の冷凍ギョーザのような一般の食料品で日本国内で健康被害が確認されたのは初めて。消費者が「食の安全」に厳しい目を向ける中、中国食品への不信感は強まりそうだ。
 日本では平成17年にウナギの加工品から禁止物質が相次いで検出され、厚生労働省がすべてのウナギを検査。こうした取り組みの強化で18年度は中国からの水産物や農産物、加工品など計530件の違反輸入食品を水際で阻止している。
 中国の輸入食品に対する疑念は、14年6月に冷凍ホウレンソウから基準を大幅に上回る残留農薬「クロルビリホス」が検出されたことからクローズアップされるようになった。厚労省は翌月にホウレンソウの輸入自粛を指導した。今回ギョーザに混入していたメタミドホスは、14年2月に中国産ブロッコリーから国内基準値を超える量が検出された。
 このため、日本政府は、18年5月には、一定基準以上の農薬類が検出されれた場合、食品の出荷や流通、販売を禁止するなど、残留農薬への規制を大幅に強化した「ポジティブリスト制度」を施行。有害物質を含んで海を渡ってきた危険な食品を、食い止める取り組みが本格化した。
 一方、中国政府は、昨年7月に国家品質監督検査検疫総局が、日本に水産物やドライフルーツを輸出していた会社など、国内41社の安全性に問題があったとして実名を公表。同時に輸出禁止措置を取るなど、五輪を前に「意識の変化」をアピールした経緯があった。
 ただ、食品以外でも中国産では、練り歯磨きに有害化学物質「ジエチレングリコール」が含まれていたり、茶わんから接着剤などに用いる「ホルムアルデヒド」が検出さた。
 海外でも中国製品に厳しい姿勢で臨む国が増加。米食品医薬品局(FDA)は昨年6月、ウナギやエビなど中国産養殖魚の輸入規制を発表した。欧州でも中国製品の摘発が続いている。

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