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2008年01月28日(月) 23時37分

もう削れまへん…橋下流「府債ゼロ」は実現ムリ?産経新聞

 大阪府知事選で当選した橋下徹氏(38)が28日、府債発行を原則認めない方針を明らかにした。しかし、起債をゼロにすれば、人件費のほか、医療費助成などさまざまな補助金を見直しても不足額を埋める見通しがつかず、実現は微妙。国の管理下に置かれた際の財政再建団体に対して行われる公共施設の有料化なども検討せざるをえないという。府の財政当局は早急に「橋下氏との協議が必要」としている。
 府財政課によると、借金である府債の発行額は行財政改革の一貫で平成7年度の5634億円(企業会計を除いた普通会計ベース)をピークに減少しているが、19年度でも2433億円。橋下氏は起債せず予算編成し、事業見直しや人件費カットなどで対応する考えを示している。
 ところが、警察や教職員を含め約9万人いる職員の人件費約9300億円(19年度)の10%を一律カットしたとしても、930億円で半分にも満たない。さらに大阪府が拠出している年約4300億円の補助金のうち、国の制度に基づかずに府が独自に実施しているのは「1000億円程度」(府財政課)を廃止する必要に迫られるが、この中には子供や高齢者の医療費助成や私学助成などが含まれている。
 財政再建団体入りした夕張市などの例を見れば、無料だった入館料やごみ収集を有料化し、住民の生活に直接負担がかかる。どうしても足りない場合は、府民税や法人事業税の引き上げなども検討しなくてはならないという。
 また府の職員はすでに財政再建のために全職員がボーナスカットなどをしており、自治体の給料を比較するラスパイレス指数では都道府県で42位。これ以上カットすれば、治安維持に必要な警察官の募集に影響が出てくる可能性もあるという。府債ゼロ計画について財政担当者は「知事の意向であればやらざるをえないが、府民生活に影響を与えない範囲で行うのは事実上困難だ」としている。

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