テラメント社に訂正命令
金融庁の電子開示システム「EDINET(エディネット)」に、トヨタ自動車など上場企業の株式を過半数取得したとする大量保有報告書が登録された問題で、金融庁は27日、内容が虚偽だったとして、報告書を提出した会社に訂正命令を出した。金融商品取引法に基づく行政処分で、28日までに訂正報告書を提出するよう求めている。虚偽の大量保有報告書に対する訂正命令は初めて。
訂正命令を受けたのはテラメント株式会社(川崎市麻生区)。1月25日夕、トヨタ自動車、NTT、ソニー、三菱重工業、アステラス製薬、フジテレビの6社の株式の「51%を取得した」と記した報告書を6件提出した。金融庁が調査したところ、報告書の内容は、東京証券取引所での6社の株式の取引状況と乖離(かいり)しているうえ、株式の取得に必要な20兆円規模の資金調達にも裏付けとなる証拠がなかったため、金融庁は虚偽と認定した。
金融庁によると、テラメントの社長は金融庁に「自主的に訂正報告書を出すつもりはない」と話し、「6社について過半数の株式を保有している」との主張も変えていないという。
テラメントが提出した大量保有報告書によると、同社は2007年11月2日に設立。事業内容はIT(情報技術)、自動車、通信、家電、半導体、宇宙航空、原子力、製薬、放送と記載している。しかし、実体があるのかは不明だ。
同社社長は読売新聞の25日夕の取材に対し、「IT関連会社を経営しているが、アルバイトで食いつないでいる。提出した報告書がそのまま公開されるとは知らなかった」と答えた。