強姦(ごうかん)など2事件で富山県警に逮捕され、実刑判決を受けた男性が服役後に無実とわかった冤罪事件について、日本弁護士連合会が調査報告書をまとめた。捜査のあり方だけでなく、有罪となった裁判を担当した弁護人の活動の問題点も指摘したうえで、「捜査機関の暴走を防ぎ、弁護活動の万全を担保するシステムとして、取り調べの全過程の録音・録画(可視化)の導入が不可欠だ」と提言している。
日弁連は昨年9月に調査チームを設置。現地で関係者からの資料収集や聞き取り調査などを行った。報告書は近く公表する。
報告書では、警察・検察の捜査について「(容疑を認める)供述書が具体的、詳細で迫真性に富んでいる」と指摘。「調書の内容や供述経過を重視して任意性を判断するという従来の裁判所の手法は、通用しなくなっている」と述べ、可視化の必要性を訴えている。
弁護人の活動についても「接見回数も時間も少なかったため、男性との意思疎通が不十分なままに起訴事実を認めていると判断した」と言及。弁護活動のマニュアルや、容疑者や被告に弁護活動の内容を説明する文書を用意するといった改革の必要性を説いている。 アサヒ・コムトップへ
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