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2008年01月25日(金) 15時01分

’08知事選:アメリカ村で政治を語ろう クラブを会場にイベント /大阪毎日新聞

 ◇若者が主催、「投票へ行こう!」
 27日に投開票される府知事選を前に、若者の街・アメリカ村のクラブ「トライアングル」で、投票を呼びかけるイベント「投票へ行こう!club×選挙」があった。「誰が知事になったら俺(おれ)らのためにええねん」と20代の会社員らが初めて企画。主要3候補のうち1人が参加し、他の2人はビデオ映像で支持を訴えた。若者約40人が集まり、候補者や代理の府議らに質問をぶつけるなど、盛り上がった。【久木田照子】
 ◇3陣営を招き質疑応答、「大阪を良くしたい気持ち伝わった」
 アメリカ村の中心、三角公園に隣接するクラブは、普段は国内外のミュージシャンらがライブを開催する。イベント主催者の一人、神谷宗孝さん(28)は大阪市平野区の機械刃物メーカーの社員。過去の選挙でマニフェストを読んだり、街頭演説を聞いたことはほとんどない。「普通の若者が『投票に行ってみよう』と思える機会を作ろう」と狙いを語る。
 当日の20日午後6時前。20〜30代の若者約40人がフロアのテーブルで、ほおづえをついたり、壁に寄りかかりながら、ステージで緊張気味の候補や府議らを見つめた。
 最初に現れたのは弁護士の梅田章二氏(57)=共産推薦。冒頭、「出馬を決めたら、高1の息子から『何で? 負けるのに』と言われた」と笑いを誘い、「人気より中身をみて投票してほしい」と呼びかけた。続いて、30代の共産市議が若者の就労支援策について訴えた。
 タレントで弁護士の橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=の陣営からは、30代と40代の自民府議が参加。「我々は、おやじ世代からバッシングされるが、もうすぐ社会の中心になる」と若さを強調。「おしゃれな街を作ると言うけど、何をもっておしゃれと言うのか」などの質問に答えた。
 元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)=民主、社民、国民新党推薦=は、ビデオ映像のインタビューで登場。「誰が知事になっても同じと思わないで。自分らで将来を決め、生活を守らないと。あきらめちゃダメ」と訴えた。神谷さんは「うちの会社の工場長に怒られてるよう」。
 約2時間半でイベントは終わった。参加者は「ワーキングプア対策を訴える梅田さんに賭けてみたい」「有名人の橋下さんは、失敗したら世間にたたかれるから頑張りそう」「熊谷さんは率直で、話が意外と分かりやすい」など評価が分かれた。
 議員らも「何を聞かれるか、と構えてきたが、真剣に聞いてくれた」と満足そうな様子だった。
 府選管によると、国政、地方選挙を問わず若者の投票率は低い。00年の知事選時の世代別投票率(抽出調査)は、20代は24%で、最多の60代の3分の1程度にとどまった。神谷さんは「最初は陣営が来てくれると思わなかった。大阪を良くしたい気持ちが伝わった」と話す。今後も党派に関係なく、政治家を招いてイベントを開くという。

1月25日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080125-00000191-mailo-l27