株券印刷などを請け負う東証1部上場の大手印刷会社「プロネクサス」(東京都港区)の元社員と親族によるインサイダー取引事件で、証券取引法違反罪に問われた同社元社員佐々木美千子被告(44)(東京都葛飾区)ら5人の判決が23日、秋田地裁であった。
藤井俊郎裁判長は「証券市場の公平性に対する投資家の信頼を甚だしく害した」と述べ、佐々木被告に懲役2年6月、執行猶予4年、罰金300万円(求刑・懲役2年6月、罰金300万円)を言い渡した。また、夫の希(のぞみ)被告(36)ら親族4人は懲役2年6月〜1年6月で、いずれも執行猶予4年、罰金300万円〜200万円とし、追徴金は5被告の連帯で約9億4478万円を支払うよう言い渡した。
判決などによると、佐々木被告は2005年3月ごろ〜06年3月ごろ、企業が株主に発送する取締役会決議通知の校正作業を同社で行った際、株式分割の未公表情報を入手。親族で計18社の株券約15万6000株を購入し、公表後に高値で売り抜けて、計約1億1000万円の利益を得た。
証券取引等監視委員会の告発を受け、秋田地検が昨年6月、希被告の両親(秋田市)らを含む5人を逮捕、起訴していた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080123-OYT1T00494.htm?from=navr