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2008年01月23日(水) 02時33分

<豊和銀行詐欺>元常務が下請けを事前指示毎日新聞

 豊和銀行(本店・大分市)発注工事を巡る詐欺事件で、大分市上宗方、豊和銀行元常務、漆間角人(うるまかくと)容疑者(59)が、元請けの司建設に対し下請け業者をあらかじめ指定していたことが22日分かった。県警は懇意な下請け業者から水増し請求分の金を還流しやすくする狙いがあったとみて、金の流れを追及する。

 関係者などによると、漆間容疑者は02年7〜9月にあった大分市内の豊和銀行寮のり面工事を、電気工事会社元役員、寺本勝己容疑者(67)=詐欺容疑で逮捕=と相談して司建設に発注。工事を自分が懇意にする下請け業者に丸投げするよう指示し、工事代金約6500万円のうち、司建設が受け取った約500万円を除く約6000万円が複数の下請け業者に渡った。この6000万円のうち二千数百万円が漆間容疑者らに渡ったとみられる。

 丸投げ指示の窓口となった司建設元専務、穴井輝見容疑者(55)=同=は当時、豊和銀発注工事の営業を担当しており漆間容疑者とは長い付き合いがあった。漆間容疑者が丸投げさせた司建設絡みの工事は他にもあり、県警が関連を調べている。

 司建設は07年3月に多額の負債を抱え民事再生手続きを大分地裁に申請。同年12月に破産手続きに移行し、今月10日、破産した。【金秀蓮】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000015-mai-soci