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2008年01月21日(月) 20時02分

江原氏出演のフジ系バラエティーに意見 放送倫理検証委朝日新聞

 NHKと民放で作る第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会(委員長・川端和治弁護士)は21日、フジテレビ制作のバラエティー番組「27時間テレビ『ハッピー筋斗雲』」(昨年7月放送)で、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんが一般人女性をカウンセリングした企画について、「出演者への配慮を決定的に欠いている。番組の取材や構成、演出は、制作上の倫理に反する」とする意見を公表した。フジテレビに改善策の提出を求める。

 意見によると、企画は、地震被災者らに無償でリンゴを送る活動をしている東北地方の美容院経営者の女性を元気づけるサプライズとして、江原さんが突然彼女と対面し、彼女の亡き父の「声」を「霊視的」な手法で伝えるもの。リンゴを送るため「美容院が経営難」になったことが強調され、江原さんは「女性が悪い」などと語った。

 検証委は、具体的な裏付けがなく美容院が「経営難」と断定したり、本人の同意もないままカウンセリングし、スピリチュアルカウンセラーのPRに女性を利用したりした点を問題視した。

 フジテレビ広報部は「意見書を真摯(しんし)に受け止め、今後に役立てていく所存です」としている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/culture/update/0121/TKY200801210418.html